ピロリ菌

ピロリ菌とは

ピロリ菌とは1982年にオーストラリアの研究者であるBarry MarshallとRobin Warrenが発見した胃の表層を覆う粘液の中に住みつく菌です。2005年にはこの功績により2人はノーベル医学生理学賞を受賞しています。
ピロリ菌の感染率には衛生環境が関連するといわれており、日本では中高年に多く、若年層では近年減少傾向にあります。ピロリ菌は、感染したまま放置しておくと慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどが引き起こします。

胃がんについて

ピロリ菌の感染について

明確な感染原因は解明されていませんが、経口感染が主な感染経路と考えられています。昔は衛生環境が影響することから井戸水からの感染が考えられましたが、現在は家庭内での感染が主な経路と考えられています。幼少期に感染が成立することがほとんどですので、次世代に感染を広げないためにも子どもが生まれる前には感染の有無を知っておき、ピロリ菌の感染がある場合には除菌をしておきましょう。

当院のピロリ菌検査

内視鏡を使わない検査

①尿素呼気試験法

診断薬を服用して服用前後の呼気を調べる検査法です。この検査法は、ピロリ菌検査の中でも簡単で精度の高い検査方法と言われています。検査結果は、およそ30分後にお伝えすることができます。
当院では主に、除菌後の判定や他の検査でピロリ菌の感染が疑われた場合に用いています。

尿素呼気試験法 料金(税込)
自費診療 8,000円
保険診療(3割) 2,500円
検査の注意点

正確な検査のために以下の注意事項を必ずお守りください、当日検査ができない場合があります。

  • 除菌治療終了後から2ヶ月以上あけてください。
  • 以下を4週間前から中止してください
    ・プロトンポンプ阻害薬に分類される胃薬(タケキャブ、ネキシウム、オメプラゾール、ランソプラゾール、パリエット、タケプロン等)
    ・抗生物質
    ・LG21を含むヨーグルト
  • 検査4時間前から食事・あめ・ガム、タバコは禁止です。
  • 検査1時間前から水分もとらないでください。
  • 検査時間は20-30分程度です。
  • ベッドに横になりますので楽な服装をおすすめします。
  • 当院には検査機器を備えておりおよそ30分で結果がでます。
  • 検査後に医師からご説明致します。

②血中抗体検査

ピロリ菌に感染すると、抵抗力として菌に対する抗体をつくります。この検査は血液中に存在するこの抗体の有無を調べる方法です。尿素呼気検査が適用できない方にも可能です。

内視鏡を使う検査

①迅速ウレアーゼ試験

胃カメラ時に組織をつまんで採取した粘膜を特殊な反応液に入れて、色の変化でピロリ菌の有無を判定します。
ピロリ菌が持っているウレアーゼという、尿素を分解する酵素の活性を利用して調べる方法です。

②病理検査法

胃カメラ時に胃粘膜の組織を採取してピロリ菌を顕微鏡で探す組織診断方法です。


胃カメラ検査

保険適用となる疾患

  •  胃カメラ検査または造影検査で胃潰瘍もしくは十二指腸潰瘍の確定診断がなされた方
  • 特発性血小板減少性紫斑病の方
  • 胃MALTリンパ腫の方
  • 早期胃がんに対する内視鏡的治療後の方
  • 胃カメラ検査で胃炎の確定診断が出された方

上記に該当しない場合は、全額自費による検査となります。健康保険の適用には規定がありますので、診察時に医師にご相談下さい。

ピロリ菌の除菌治療

1一次除菌

胃酸を抑制する薬と抗生物質の2種類を、朝晩2回を7日間内服して、ピロリ菌を除菌します。

2除菌判定

除菌治療後2カ月間空けてからピロリ菌検査を行います。除菌成功かどうかを判定します。

3二次除菌

一次除菌でピロリ菌が除菌しきれなかった場合、再度7日間薬を服用します。2カ月空けたのち効果判定を行います。

4三次除菌

二次除菌の結果で除菌に失敗した場合、さらに抗生物質の組み合わせを考慮しながら除菌治療を行います。この場合、保険適用とならず全額自己負担になります。

5検査

必要に応じて、同意を得られたら当日でも胃カメラ検査を受けて頂くことができます。

文責
横浜わたなべ内科・内視鏡クリニック 根岸院
院長 渡辺 一輝

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