逆流性食道炎

逆流性食道炎とは

逆流性食道炎とは胃から胃酸が逆流することで、食道粘膜が炎症を起こす状態を逆流性食道炎と言います。胃酸が込み上げるため、胸焼けや酸っぱいものや苦いものが込み上げる呑酸・のどの違和感・胸焼け・ゲップなどの不快症状が現れます。日本人の罹患率は増加傾向にあります。脂っこい食事が好きな方や、肥満気味・過度のストレス・慢性的な便秘・妊娠中の方などに多く見られます。食道粘膜の炎症が長期にわたって続くと、食道がんを招くバレット食道を引き起こします。気になる症状がある方は、お早めに当院までご相談ください。

逆流性食道炎の原因

生活習慣の乱れ

過食・高脂肪食・早食い・食べてすぐ寝る・飲酒・喫煙などが挙げられます。食べてすぐ横になると、胃酸が逆流しやすくなってしまいます。また、乱れた食事によって一過性で下部食道括約筋が緩んで、胃酸が逆流しやすくなってしまいます。

お腹が圧迫される体型

肥満や前かがみの姿勢・背中が丸くなっている方・妊婦など、お腹に圧力がかかる体型の方は胃酸が逆流しやすいとされています。

食道裂孔ヘルニア

食道と胃をつないでいる部分と横隔膜は通常しっかりと固定されていますが、その部分が緩くなってしまうと隙間が出来て胃酸が逆流しやすくなります。

薬の副作用

降圧剤の一部で、下部食道括約筋が緩んで逆流性食道炎を引き起こします。また、ピロリ菌除菌治療後も逆流性食道炎を起こす場合もあります。

逆流性食道炎の症状

食事後の2~3時間までに胃酸の逆流が起こりやすく、以下のような症状が現れます。

など

逆流性食道炎になりやすい人

以下のような人が逆流性食道炎になりやすいとされています。

など

逆流性食道炎の検査・診断について

逆流症状と食道炎が確認できた場合、逆流性食道炎と診断されます。

1問診

逆流症状や胸やけなど自覚できる症状についてお伺いします。問診の結果、逆流性食道炎と診断された場合、胃カメラ検査を検討します。必要に応じて、胃酸分泌を抑える薬で様子を見る場合もあります。

2胃カメラ検査

胃カメラ検査で、食道粘膜の炎症の状態を確認していきます。胃がんや食道裂孔ヘルニア・潰瘍などと区別するためにも胃カメラ検査を受けることをお勧めしています。
当院の胃カメラ検査は、経口内視鏡と経鼻内視鏡検査から選択できます。要望に応じて、鎮静剤を使用して検査を行います。

胃カメラについて

逆流性食道炎の治療について

まずは、生活習慣の改善を図ります。それと同時に、胃酸分泌を抑える薬物療法を基本に治療を進めていきます。

薬物療法

外科的手術治療プロトンポンプ阻害薬・H2ブロッカーなどの胃酸分泌を抑える薬を使用します。必要に応じて、プロトンポンプ阻害薬よりも強いカリウムイオン競合型アシッドブロッカーを使うことがあります。服用開始して2~3日ほどで不快症状がかなり緩和します。しっかりと食道粘膜の炎症を修復させるためには、およそ4~8週間の服用が必要です。
また、制酸薬・アルギン酸塩などの酸の中和・粘膜を保護する薬を使用します。服用後すぐに効果が見られますが、有効時間は30分ほどです。主にプロトンポンプ阻害薬の補助薬として用いられます。
それでも効果が見られない場合は、漢方薬を併用することもあります。

外科的手術治療

薬物療法を行っても効果が得られない場合には、手術治療を行うことがあります。また、大きな食道裂孔ヘルニアが確認された場合や、出血・狭窄がある重度の食道炎の場合も手術治療が検討されます。胃噴門形成術といって腹腔鏡下手術で行い、胃からの逆流を防ぎます。この場合は、連携する専門医療機関をご紹介しています。

文責
横浜わたなべ内科・内視鏡クリニック 根岸院
院長 渡辺 一輝

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